クロスビート7月号に、『ミュージシャンが選ぶ、人生を変えた名盤100枚』という特集があった。
まぁ例の如く、有名ミュージシャンが選ぶ○○ってな安易な企画なヤツやけど、今回はその特集でちょっと遊んでみた。
『T.A.Frayの人生を変えた10枚』
まぁ、こうして並べてみると有名どころばかりなんだが、T.A.Frayに大きく影響したのは間違いない。
“人生を変えた”ってのは、大袈裟やけど(笑)。
THE BEATLES / タイトル不明
THE BEATLES / 1と同じような、全米でNo.1を取った曲ばかりを集めた日本独自の編集盤(だったと思う)音楽と言えば、テレビに出てるアイドルや歌謡曲、アニメの主題歌くらいしか知らなかった小学生に、ロックという存在を教えたのがビートルズ。
何ていうタイトルかは覚えてないけど、叔父さんにダビングしてもらったカセットテープを何度も何度も聴いてた。
聴いてると勝手に体が動きだすビートや美しいバラードなど、一度聴いたら忘れられないキャッチーな曲は、小学生にも分かりやすかった。
これ以降、音楽=洋楽という図式が完成してしまい、邦楽をことごとく拒否するハメになったけどね。
どちらかと言えば、歌詞が簡単な初期の曲がお気に入りだった。
それらの曲を、聞こえたままのデタラメ英語で歌ってた(笑)。
THE ROLLING STONES / 『DIRTY WORK』('86)
当時、ソロ活動に関心が向いていたミックを尻目に、キース主導のもと制作されたアルバム。
これまでとはひと味違った、ルーズで荒々しいサウンドがカッコいい。ビートルズ以降、洋楽ばかり聴いてたけど、情報不足と無知のお陰で自分の好きな音をなかなか見つけられなかった。
そんなときに、クラスの女の子に借りたLPがこのアルバム。
正直言うと、LPなんてどうでも良かった。
その女の子と話す機会を伺ってただけ(笑)。
でも、家に帰って聴いた "One Hit (to The Body)" は衝撃的だった。
こんなに荒々しくてダイナミックなロックン・ロールは聴いたことがなかった。
さらに、その直後に見たPVが追い打ちをかけた。
あんなにカッコいい動きをするボーカリストなんて見たことなかったし、あんなカッコいいポーズをキメるギタリストも見たことなかった。
当時のバンド内の権力闘争なんて知る由もなく、鬼気迫る2人の対決にドキドキしていた。
それからストーンズは、T.A.Frayの背骨になった。
聴いている音楽の中心に、ローリング・ストーンズがある。
実際、ストーンズを通じて色んな音楽を知ったからね。
MUDDY WATERS / 『THE BEST OF MUDDY WATERS ('58)』
シングルを集めた最強のベスト。
このLPを持っているミック・ジャガーに、キース・リチャーズが声をかけたのがストーンズの始まり。そのストーンズを通じて知った、最たるものがブルース。
ストーンズのルーツを知りたくて聴き始めたけど、始めは何がいいのか分からんかった。
聴いてたら、眠くなって仕方なかったくらい(笑)。
でも、ある日突然視界が開け、迫力に圧倒されてた。
それ以来、ブルースをルーツに持つ音が好きになったね。
BLIND MELON / SOUP ('95)
グランジの全盛期の中、異色な存在だった。
憧れのニューオリンズで録音された2ndで、ラスト・アルバム。1stも大好きだったが、ブラインド.メロンと言えば、真っ先にこのアルバムを思いだす。
アーシーでカントリーやフォークまでもを飲み込んだ、アメリカの南部の匂いがプンプンするアルバム。
VOのシャノン・フーンが死んだというニュースを知ったときは、とてもショックだった。
アンチ・グランジだったT.A.Frayのヒーローだったから。
MOTLEY CRUE / THEATRE OF PAIN ('85)
ハノイ・ロックスのドラマー、ラズルの交通事故死の後に発売された、少しロックン・ロール寄りにシフト・チェンジしたアルバム。中学生の頃、友人の影響でメタルやハード・ロックをよく聴いていた。
まぁ、LAメタルという、どっちかと言えばキャッチーなメロディを持つ音だったけどね。
そんなシーンからわんさか出てきたバンドの中でも、このアルバムの存在は異色だった。
ブルースとは言んけど、それっぽく聞こえる冒頭の2曲には、ちょっとした衝撃だった。
T.A.Frayが始めて買ったCDがこれ。
当時は、LPが2800円、CDが3300円だった。
CROSBY,STILLS,NASH & YOUNG / DEJA VU ('70)
スティーブン・スティルスとニール・ヤングの絶妙なギターの絡みや、完璧なコーラスなど聴き所は満載。
ウッドストック当時の、時代背景を色濃く反映した名盤。1994年のウッドストック25周年、ウッドストックの再評価の気運が高まった頃にたまたま聴いた "Suite:Judy Blue Eyes" は、新たな発見だった。
ニール・ヤングが参加したこの『DEJA VU』には収録されていないが、アルバムの完成度はこちらの方が高いし、ここにも名曲がずらりと並ぶ。
このアルバムはよく聴いたし、来日公演にも行った。
ROD STEWART / EVERY PICTURE TELLS A STORY ('71)
ロッド・ステュワートの名を一躍有名にした "Maggie May" を収録。
全編にフォークやアイリッシュ・トラッドを基調としたアコースティック感溢れる作り。
バラードを歌うロッド・ステュワートは最高にカッコいい。アコースティックなフォークやアイリッシュ・トラッドな音が、こんなにもカッコいいものかって教えてくれたアルバム。
このアルバムを聴いた頃のロッド・ステュワートは、とてもじゃ無いがクールな存在じゃなかったから余計だった。
目から鱗ってな感じかなぁ(笑)。
こんなバラードを歌わせたら、世界一だと思うよ。
CHUCK BERRY / THE GREAT TWENTY-EIGHT ('84)
問答無用の黄金のイントロで始まる名曲の数々。
もはや説明不要のスタンダードだ。
チャック・ベリーがいなければ、ビートルズもストーンズも、ロックン・ロールも存在しなかったかもしれない。ストーンズのルーツの中で、ストーンズを知る以前に知っていた貴重な存在(笑)。
実は、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でなんだけどね。
同級生がこの辺の音楽が得意で、いろいろと教えてもらったのを覚えている。
チャック・ベリーお得意のイントロと、ダック・ウォークをマスターしたかったもんだ(笑)。
まさか、こんな大昔の曲で熱くなれるとは思わなかった。
来日公演にも行ったし。
GUNS N' ROSES / APPETIE FOR DESTRUCTION ('87)
従来のハードロックにストリート感を持ち込んだ、ガンズのデビュー盤。
アクセルのボーカルにスラッシュの殺人的なギターが、聴く者を圧倒する。アクセルのボーカル・スタイルと、"Sweet Child O'Mine" のイントロには度肝を抜かれ、"Paradise City" のPVには興奮させられた。
当時、“カッコいい”って思う全てのものを持っていたバンドだった。
今だにこのアルバムが、ガンズの最高傑作なのは間違いない。
T.A.Frayにとっては、ニルヴァーナよかこっちの方が圧倒的に衝撃的だった。
OASIS / (What's The Story) MORNING GLORY? ('95)
1stで衝撃的なデビューを果たし、このアルバムで90年代のビートルズになった。
現在でも、このアルバムに収録されている多くの曲は、ライヴでも重要な曲だ。
当時、ブラー vs オアシスという構図も話題となった。当時は、USの音楽ばかり聴いていた。
ストーン・ローゼス以外は、まったくUKに興味が無かったからね。
1stも買うには買ったが、2〜3回聴いたくらい。
この2ndも、買ってすぐに棚にしまった。
あの時、ラジオで "Don't Look Back Anger" を聴いてなかったら、いまだに棚にしまったままかもしれない(笑)。
このアルバム以降、どちらかと言えばUKに比重が傾いたかな。
1971年に発売されたフェイセスの3作目。
彼ら唯一のヒット曲で、今でもロッド・ステュワートの重要なレパートリーの一つ "Stay With Me" を収録。
まさに彼らの黄金期とも言える時期のアルバムで、前作に見られたダイナミックでルーズなサウンドに、ラジオ受けしそうなパワフルなロックン・ロールを加えた傑作アルバム。
ルーズで独特のグルーブがたまらない "Miss Judy's Farm" は、一度聴いたら病みつきになる。
今では想像も出来ないくらい、ロン・ウッドのギターはねちっこい。
ロニー・レインが歌う、カントリー風味で軽快なタッチの "You're So Rude" 。
ググっとテンポ落とし、ジャム・セッション風のイントロで始まる "Memphis" は、もちろん、チャック・ベリーのカバー。
当時、ストーンズがカバーしたチャック・ベリーのナンバーのアレンジと、通じるものがあるのが興味深い。
フェイセス唯一で最大のヒット曲 "Stay With Me" は、ロン・ウッドのスライド・ギターがたまらなくカッコいい。
イントロといい、一旦テンポを落としながらも、後半にかけてグイグイとスピードアップしていく曲の構成は完璧。
余談ながら、この曲に使用したギターで、ストーンズの最新作のオープニング・ナンバー "Rough Justice" のスライドを弾いたそうだ。
"Too Bad" も、フェイセスの新しい可能性を示した傑作ナンバーだ。
そして、ロン・ウッドのスライドが堪能できる "That's All You Need" 。
まさしくこのアルバムでピークを迎え、ロッド・ステュワートの契約問題やメンバー間の確執などで、徐々に勢いを落として行くことになる。
全編に、ロッド・ステュワートがボーカルをとるダイナミックなロックと、ロニー・レインが歌うカントリー・タッチの曲が同居した、まさしく70年代の匂いがプンプンするアルバムだ。
オススメ度(5点満点)
★★★★
レーベル契約もないまま制作され、ライヴと口コミだけで大注目を集めたバンド。
当初はCDの発送も自分達でこなしてたという、まさにDIY精神あふれるNY出身のバンドのデビュー作。
初期トーキング・ヘッズを思わせるような、投げやりの脱力系ボーカルが印象的だ。
このボーカル・スタイルが好き嫌いの別れどころになりそうだが、覚えやすいキャッチーなメロディと、ギター2本とキーボードの音の絡みが清流の流れのごとく爽やかで、一度聴くと忘れられないクセになるアルバムだ。
手作り感あふれる楽器の使い方やアイディアも抱負で、引き出しの多さを感じる肩の凝らない曲が満載だ。
ただ、曲のバリエーションが少なく、一本調子なところもあり単調になりがちなところもあるも確か。
しかし、まだまだ奥の手を持ってそうな感じで、早くも次のアルバムも期待できそうだ。
"Let The Cool Goddess Rust Away" や "Details Of The War"、"In This Home On Ice" などがお気に入りの曲。
テレビ出演したときの映像を観たが、ボーカルがこのCD以上にヘロヘロなのには笑った。
ただ、ライヴを見てみたいバンドなのには違いない。
オススメ度(5点満点)
★★★★