
ギャンスタ・ラップの全盛時、ヒップ・ホップの辺境地といわれていたアトランタから出てきた、それまでのラップ・グループのイメージを覆すような、ユニークでとても田舎の匂いがするグループ。
アレステッド・デヴェロープメント。
当時、特にヒップ・ホップに興味を持ってなかったが、毎晩のように通っていたクラブで "Mr. Wendal" がよくかかっていたのが、このグループを知ったきっかけだった。
サンプリングは使うが、基本は生バンドでの演奏。
ファンクとヒップ・ホップの融合した独自の音楽感。
アーシーでオーガニック。
ロックはもちろん、ジャズやブルースの影響も強く感じられるスタイルは、当時も今も、オリジナリティーに溢れるスタイルだ。
特に強く印象に残ったのが、それまでのヒップ・ホップにはなかった田舎臭いスタイル。
ヒップ・ホップ界のザ・バンドって感じか?
ギャングスタ・ラップの全盛時代においては、存在自体が特異だった。
バディ・ガイのハープを大胆にサンプリングした "Mama's Always On Stage" や、スライ・ストーンの名曲の90年代版ともいえる傑作 "People Everyday" など、ルーツにしっかりと根ざした音を聴いてとることができる。
このアルバムで一番大好き曲 "Mr. Wendal" や "Tennessee"は、今聴いても錆つくことのない名曲だ。
ただ残念なのは、このアルバムののち急速に失速し、グループは解散してしまう。
スピーチはソロ活動を現在でもおこなっているが、このアレステッド・デェベロープメントとほど、強烈なインパクトを与えるまではいっていない。
オススメ度(5点満点)
★★★☆
コナー・オバーストを中心とした、不定形のユニット。
04年の秋、ブルース・スプリングスティーン、R.E.M.らと共に、アメリカ大統領選における民主党支持の政治色の濃い『VOTE FOR CHANGE TOUR』に参加し、ビルボードのシングル・チャートでは "Lua" と "Take It Easy (Love Nothing)" の2曲が1位、2位を独占したブライト・アイズ。
このアルバムは、2枚同時発売されたうちの1枚で、デジタル色の強いアルバム。
歌やメロディを中心としたアコースティックなサウンド基調としながらも、音を極端に歪ませている。
また、絞り出すかのようなボーカル処理もとても印象的だ。
かなり作り込まれた音だが、不思議と冷たさや無機質な感じはない。
デジタル・ロック的アプローチだが、音に温かみを感じるアルバムだ。
最初こそ弱冠抵抗を感じたが、聴けば聴くほどコナーのメロディ・センスの良さにハマってく。
女友達との赤裸々な関係を歌った1stシングルの "Take It Easy (Love Nothing)" や軽いタッチながらリズム面に特徴のある "Arc Of Time (Time Code)" 、軽快なロックの "Light Pollution" など、クオリティーの高い曲が並ぶ。
オススメ度(5点満点)
★★★☆